高齢者の生活も自己責任

今の世の中は、お年寄りの方も誰も自己責任もとで生活を営む契約社会です。介護保険等の社会福祉関連の制度でも、行政の裁量で決める措置から、一人ひとりがそれぞに契約して必要な物を手に入れる社会になりました。

判断能力が不十分な方も、住み慣れた地域で普通に生活を営める、「ノーマライゼーション社会」を実現するための社会的支援の整備が進められています。

ここ数年らいの法律制度の諸改革は、自己決定の尊重・補充性の原則・必要性の原則・個人的ケアの原則などの諸原則に従ってなされています。

その一方で、悪質な手口により消費者被害に遭う方が急増しています。

また、高齢者への虐待も社会問題化しています。

契約の概要とその法理

民法には契約自由の原則がありますが、それと同時に過失責任主義の原則もあります。契約書に記載された内容は、その結果の実現を目的とし、その過程が重視されます。

法の目的は、紛争の平和的な解決ですが、その手段として、予め定められ、公開されたルールを使って紛争を事前に防ぐことが可能です。



判断能力不十分者の消費者被害救済について

悪質な手口により、高齢者や判断能力が不十分な方の消費者被害に遭うケースがあります。

民法において契約無効の要件は厳しいのが現状です。契約の被害者が意思無能力状態である主張をする為には、被害者側が立証責任を負います。

意思能力で取り上げた判例における本人主張の法理と、裁判所が認定した法理を比較すると、意思能力なしと判定された被害者の障害原因は、認知症・脳疾患の場合に数が多いのが特徴です。しかし、本人の生活能力や社会的適応性、法律行為の難易度や本人保護の必要性など多岐に渡る事情からの結果です。



被害の救済については、民法の原則や規定、消費者契約法・特定取引法などで相手方に主張することができます。

意思能力の有無を主張せずに、契約の真正な成立を否定した場合や、民法の原則である信義則や特定商取引法や借地借家法で救済された判例もあります。

被害に遭われた方がご自身では中々解決できないの現状です。

消費者被害に遭ったら

各地の消費生活センターへ

消費生活センターでは、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受付け、公正な立場で処理にあたっています。

消費生活相談員は、国・地方公共団体等の相談窓口で、消費生活にかかわら相談業務に従事しています。ご相談は、居住地の消費生活センターをご利用ください。


法テラス(日本司法支援センター)

また、法的なトラブルをお抱えの方々が、身近に利用できる司法サービスとして法テラスが全国に50カ所あります。相談無料で、情報を提供してくれます。

法テラス電話番号 0570-078374(全国共通ナビダイヤル)法テラスの専門オペレーターが,お問い合わせ内容に応じて,法制度や相談機関・団体等を紹介してくれます。

消費者としての高齢者を守ってくれる法令

消費者としての高齢者を守ってくれる特別法は、割賦販売法、特定商取引法、消費者契約法などです。※ケースバイケースですので全てには該当しません。

振り込め詐欺の場合は警察へ

警察の摘発や、携帯電話本人確認法・貯金口座等の不正利用防止法による規制強化、マスコミ報道などにより減少傾向にありますが、その手口は複雑巧妙化しています。警察では振り込め詐欺の手口を、おれおれ詐欺・架空請求詐欺・融資保証詐欺と3つに分けています。被害に遭った場合は警察と金融機関に連絡して下さい。何かおかしい電話を受けたりした場合は、慌てず冷静になりましょう。決して事実や根拠を確認するまではお金を振り込むはやめましょう。振込む前に警察や消費者センターへ相談してみましょう。

高齢者被害の実態調査

訪問販売や電話勧誘販売、これは特定商取引法

高齢者を狙う悪徳商法は、無料商法・催眠(SF)商法・点検商法です。

無料商法は、無料招待、無料サービス、無料体験など無料をセールストークやうたい文句にして人を集め、高額な商品やサービスを売り付ける商法です。

催眠(SF)商法は、くじに当たった、新商品を紹介すると言って人を集め、閉め切った会場で日用品などを廉価又は無料で配り、徳した気分にさせ、異様な雰囲気の中で市場価格よりも数倍もする高額で商品を売り付ける商法です。

点検商法は、点検をすると言って家に上がり込み、床下の土台が腐っている、布団にダニがいる、白アリ被害があるなどと不安をあおって新品や別の商品・サービスなどを契約させる商法です。

これらの被害にあった方は、判断能力が不十分である場合には、自らがクーリングオフなどを行えず、これらの被害の発見は家族や親族以外では、介護保険サービスを利用して自宅を訪ねてくる、ヘルパーやケアマネの方、訪問看護師や民生委員の方が発見されるケースが増えています。本人が地域や社会との係わりが希薄になると、被害が拡大する傾向にあります。

割賦販売法、

クーリングオフ(第4条4項)

割賦販売法は、2か月以上にわたり3回以上の分割払いによる指定商品の割賦販売の場合に適用されます。

この法によって、売主は、割賦販売条件の票時と契約内容を明らかにする書面の交付を義務づけられています。

また、十分に考慮しないで購入する場合もありますので、一定期間であれば買主側から契約を解消することができる、「クーリングオフ」と呼ばれる制度が導入されています。(同法第7条)

さっらに、売主の契約解除件や損害賠償請求権についても、一定制限が設けられています。(同法第5条・6条)また、提携ローンや前払いについても、一定の規制がなされています。

この法律は特に高齢者の利益を守るものではありませんが、消費者として一般市民を保護する法律ですので、高齢者にも当然に適用されます。

特定商取引法

特定商取引法は訪問販売法ともいわれ、高齢者を相手にしたいわゆる悪徳業者によるトラブルや被害が絶えないのが現状です。

この法律の目的は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売による取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、ならびに業務提供誘引販売取引を公正なもとし、購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者などの利益を保護し、商品などの流通およびサービス提供を適正かつ円滑にする目的で制定されました。

経済産業省の省令(施行規則)では、「老人その他の者の判断力の不足に乗じ、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結させること。」を禁止行為としています。

また、クーリングオフに加えて取消権が導入され、さらに、中途解約権や損害賠償の制限なども盛り込まれています。


特定商取引く法 特定商取引法(296KB)

国民生活センターや各地の消費生活センターへご相談ください。基本的に相談は無料です。

または、法テラス(日本司法支援センター)0570-078374(全国共通ナビダイヤル)へご相談ください。

消費者契約法

この法律では、売主側よりも、情報量や交渉力の点で圧倒的に弱い立場にある消費者が、悪質な勧誘を受けて締結した契約は取り消すことができ、不当な条項を含んでいればその無効を主張することができるとしています。

この法律によって取り消す事ができるのは、事業者が勧誘時に嘘をつくこと、将来の見込みを断定的にいうこと、消費者に不利な事実を故意に告げないこと、消費者の自宅に居座って契約をせまること、又は勧誘場所から退去させないこと、などによってなされた契約です。


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