成年後見制度(任意後見契約)は、介護保険制度との両輪です。
全国で既に10万人以上の方がご利用されています。判断能力が不十分になっても、社会で普通の生活を営めるような、保護や支援を図る為に平成12年から始まったのが、成年後見制度です。
この新たな制度の基本理念は、ノーマライゼーション(障害者や高齢者等社会的に不利を受けやすい人々が、社会の中で他の人と同じように生活し活動することが、社会本来の姿である)・自己決定権の尊重(ご本人の希望を最大限考慮して保護していく)・身上保護の重視(療養看護を及び財産の管理を行なうに当っては、本人の心身の状態および生活の情況に配慮する)の3つです。
行政書士の業務は、事実証明に関する書面の作成と手続きについての代理です。 今お困りの問題や、今後に想定される事柄に、成年後見制度を利用するとどうなるのかを、ご説明してご利用される場合のご本人や後見人等候補者の方をご支援を致します。家庭裁判所への手続き等についてはお請けできませんし、第三者の職業後見人としてもなじみません。
この理念は、補助人制度の新設・任意後見の導入・後見人保佐人制度の充実・監督人制度の充実・戸籍記載の廃止・登記制度による公示・市町村長申立ての導入になります。
成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
後見類型について
法定後見は補助・補佐・後見の3つの類型があります成年後見制度は「精神上の障害により事理弁識能力が不十分・著しく不十分・欠く常況」にある方がご利用する制度です。この精神上の障害とは、認知症・統合失調症・高次脳機能障害等に該当される方と思われます。 能力の段階に応じて、補佐・補助・後見という類型がありますが、障害の程度がどの類型なのかは、医師の診断によります。後見制度の申立時に医師の診断書を添付し、申立後に家庭裁判所が鑑定をして、類型を審判します。

申立て時の類型判断は主治医の診断書、最後は家庭裁判所の審判で決まります。
認知症の方が、法定後見でどの類型に該当するかは、まずは主治医の診断によります。家庭裁判所の資料にその記載があります。成年後見制度は,本人の判断能力の程度によって,成年後見・保佐・補助と3つの類型に区分されます。この3つのうち,どの類型を申し立てるかは,主治医等に書いてもらった「成年後見用診断書」が基準となります。
その主治医が記入する診断書にの3に、判断能力判定についての意見を記載する項目があります
- □ 自己の財産を管理・処分することができない。
- →この場合は「後見」類型による申立が相当です。
- □ 自己の財産を管理・処分するには,常に援助が必要である。
- →この場合は「保佐」類型による申立が相当です。
- □ 自己の財産を管理・処分するには,援助が必要な場合がある。
- →この場合は「補助」類型による申立が相当です 。
診断書より該当する類型にて家庭裁判所に申立てをして、最終的には家庭裁判所の審判によって類型が決まります。参考資料の家庭裁判所の診断書作成の手引きにて確認して下さい。
認知症の方について
現在170万人の認知症の方がいます。今後も大幅な増加が予想されています。認知症は、その病気原因と症状(結果)のよって、大きく3つに分かれます。脳神経細胞が死滅、脱落して、その結果、脳が萎縮して変性疾患としての一次性認知症と、脳の血管が詰まったり、破れたりした結果、その血管で酸素や栄養を供給されている脳の部位が損傷を受けた脳血管性認知症とその他の認知症の3つです。アルツハイマー病は、変性疾患ですので一次性認知症にあたります。
軽度認知症(MCI)の方は、任意後見契約か補助類型に該当する場合があります。前者では契約内容を十分に理解していること、後者ではご本人への同意が必要になります。任意後見の即効型では紛争性がある場合も考えられますので、法定後見の補助類型をお薦め致します。
参考資料の「家庭裁判所の診断書作成の手引き」にて確認をして頂き、主治医の方へ相談する事をお薦め致します。
意思能力について
精神上の障害により事理を弁識する能力(判断能力)が不十分・著しく不十分・欠く常況にある方が成年後見制度の対象になる方ですが、この「事理弁識能力とは」、知的能力、日常の事柄を理解する能力、社会適応力の3つの概念を統合した広義の判断能力とされています。判断能力の判定は、結果、状態、機能について総合的な見地からされている様子です。
主治医の専門が精神科でなくてはならないという決まりはありませんので、現在のかかりつけの医師の方(主治医)にご相談して下さい。
個々の事例によって家庭裁判所が審判します
およそ半年かがりの手続きになりますおよそ4段階の分かれます。ご本人の意思や判断能力による方針の決定までが第一段階、次は家庭裁判所への申立ての準備、この期間がおよそ2か月間程度掛ります。その次が家庭裁判所への申立てから審判まで、最後が審判から後見開始までの段階になります。
最初のご本人の意思や判断能力による方針の決定まですが、ご本人やご家族の見解や思いとは別に、主に主治医の方に後見類型を診断して頂きその結果から、任意後見が適当なのか法定後見の類型はどれが該当するのかを認識して、誰の為に何の為に利用するのかを明確にします。
次は家庭裁判所への申立て準備です。申立ての書類作成は専門家に依頼すれはさほど時間が掛りませんが、ご本人の戸籍関係の調査・収集や財産に関する各証書等の収集に以外を時間を費やします。またご申立人や後見人候補者を誰にするのかを決める事も、様々な事情が交錯して、なかなか結論がでない場合もあります。ここまで一般的には2か月以上の時間がかかります。
次は、家庭裁判所の審判までですが、各家庭裁判所の事情・後見類型によって・鑑定依頼やその結果・後見人候補者の事情等が、すべて個別案件ごとに異なりますので、平均値としての3ヶ月間にはバラツキがあります。この期間は家庭裁判所次第になります。
最後は、後見開始までですが、家庭裁判所の審判後に後見登記が完了するまでは約1か月掛ります。その後後見が開始されますので、最初からの期間を合算すると、概ね6か月間以上の所要期間になります。
法定後見は家庭裁判所の審判です。家庭裁判所へ提出の書類作成は、行政書士は取り扱えません。成年後見制度のご支援とは、申立て前後の様々な手続きや制度の概要を分かりやすくご説明する事です。
家庭裁判所での標準的な審理の流れと期間
下記のチャートは東京家庭裁判所・後見センターでの手続きを参考にしています。各地の家庭裁判所にてご確認下さい。


