後遺障害診断書の記載ポイント
自賠責等級認定要件から後遺障害診断書の記載ポイントは、1.症状の一貫性
2.他覚的所見の重み付け(臨床所見・神経学的所見・画像所見)
3.自覚症状と他覚的所見の整合性
になります。この様な診断書を主治医に記載して頂く為には、準備が必要になります。
すべてを主治医に一任して、「大丈夫だろう」ではこの要件外の診断書になります。自覚症状を整理して、治療経過を理解し、症状固定時の判断を含めて、患者の自己責任として主治医と確認しておく必要があります。
自覚症状を主治医に伝える
むち打ち症には様々な自覚症状があります。事故受傷時から治療経過を経て、残存している症状をご自身が言葉で主治医に伝えることができることが、後遺障害診断書の最初のポイントになります。
代表的は症状は、頚部痛・頭痛・めまい・頭部・顔面領域のしびれ・眼症状・耳鳴り・難聴・吐き気・嘔吐・四肢症状・腰痛・自律神経症状 認識障害・うつ状態・全身知覚過敏・線維筋痛症などです。
頭痛・めまい・・眼症状・耳鳴り・難聴・吐き気・嘔吐・自律神経症状・認識障害・うつ状態などは、器質的な外傷を確認できない場合では、保存的な治療を継続する傾向にあります。整形外科の主治医より専門的な病院や診療科を紹介して頂くことも重要です。
更に言えば、主治医を見極める視点の有無も重要な事柄です。単に病院の規模であるとか、設備が充実している、主治医の経歴が秀でている事等と、残念ながら現実は比例していません。
治療経過を知る
整形外科におけるむち打ち症の治療方法は、安静から始まり、頚椎固定・薬物療法・ブロック療法・理学療法(物理療法・運動療法)・鍼治療・手術療法と推移していきます。
どの様な治療経過を経ているかは、経過診断書及び診療報酬明細書にて確認することができます。
経過診断書及び診療報酬明細書にて確認するポイントは、薬物療法とブロック療法、理学療法の推移です。処方される薬についても確認をしています。
処方される薬は、消炎鎮痛剤、筋肉に対するもの、神経に対するもの、血流を良くするもの、骨粗鬆症用などがあります。消炎鎮痛剤と湿布薬が繰り返し処方されている場合も多く見受けます。
初診時より症状固定まで、同じ療法・処方では後遺障害認定は厳しいのが現状です。初診時より数ヶ月間で同じ療法・処方を受けている場合には、「何故?」と主治医に聞いて下さい。その返答に納得が行かない場合にはすぐに転院されることをお薦めします。
主治医より紹介された療法とは別に、ご自分の判断で接骨院・整骨院への通院を継続した場合にも、単に理学療法としての保存的な治療を繰り返す程度の場合が多く、医学的な説明ができないという事もあります。 一定の効果の有無という視点ではなく、後遺障害等級認定においては西洋医学の見解が優先します。
自覚症状を主治医に伝え、その治療経過からご自身が主治医を判断する事が、治癒に結び付く道筋であり、不幸にして障害が残存してしまった場合においても、主治医の所見や診断に左右されるのが後遺障害等級認定の実情です。
後遺障害診断書
検査所見、他覚的所見によって経時的に障害が医学的に認められる内容であること主治医が記載する後遺障害診断書にもポイントがあります。主治医側へ依頼することは、患者の主訴についてできる限りの記載をしてもらう。主訴の裏づけとなる臨床所見を記載してもらうことです。
自賠責の等級認定審査においては、外傷との因果関係を判断する場合には、外傷に起因する初診時の症状が継続しているかどうかということですから、経過診断書に記載されていた症状が後遺障害診断書に記載がなければ、治癒したものと判断されます。 初診時に見られなかった症状が、症状固定時に記載されている場合は、その理由を解明できなければ因果関係を認めることはできません。
治療中にも訴えがあったということが、経過診断書に記載されていないから不自然であると結論づけることもできませんから、看護記録やカルテからの確認が必要になります。 したがって、当初の訴えと症状固定の訴えに相違が見られる場合には、一貫性に関して医療照会が行われ解明することになります。
ご相談を頂く際に、自覚症状の記載が少ない物、臨床所見の記載が無いもの、医学的な用語が使われていない物を見かけます。単に主治医が悪かったという事に帰着させても等級認定が得られる訳ではありません。
当事者として受診先を選び、治療期間中に主治医への接し方など、自己責任の一部であると思います。
等級認定のポイント
有位な他覚的・神経学的所見による評価自賠責保険の後遺障害等級認定における、神経症状の等級認定の評価は医学的に「証明」できる場合が12級、医学的に「説明」できる場合には14級と認定されます。、
「証明」とは器質的な損傷等が画像検査等にて確認できることが前提条件になります。
訴えられる自覚症状の存在を医学的に証明できない場合には、認定の対象になるか否かを説明できる材料として、「機能的障害」として臨床所見と他覚的な所見が必要になります。
14級の場合の「説明」とは、「労働には差し支えないが、医学的に可能な神経系統の障害に係わる所見があると認められる」・「医学的に証明しうる神経学的な症状は明らかでないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるもの」 という考え方を採用していると思われます。したがって、医学的に推定するプロセスをトレースして、そのまとめとして後遺障害診断書に記載がある事が14級相当になります。
つまり、残存している神経症状を「機能的障害」として説明できる事が等級認定のポイントになります。頚部捻挫と腰部捻挫による神経症状専用ページ頚部(頚や肩)のページ「頚椎捻挫・外傷性頚部症候群」。腰部のページ「腰部捻挫・椎間板ヘルニア・脊椎間狭窄症」にてをご確認ください。
訴訟や示談交渉の問題点
自賠責における後遺障害等級認定は、損害料率算定機構の調査事務所がその判断を行い、それに基づき各保険会社が示談交渉を進めたり、支払処理を行うといった実務処理が定着しています。
民事の交通事故訴訟においても、自賠責による後遺障害の等級認定結果はそれなりに重みがありますが、「他覚的な説明」要件等、抽象的な表現での評価・判断をているために、「障害認定基準の該当性の判断における見解の相違」として両者の間に食い違いが起きる事態がしばしば発生します。
神経障害の民事訴訟を委任される際は、等級認定や異議申立は被害者側で請求しその結果を得ている事を前提としている様子です。事故受傷から症状固定までの診療履歴の結果として後遺障害診断書は大切な資料になります。
後遺障害等級認定の被害者請求について
症状固定とは、医学上・損害保険上・民事上の分岐点になります。被害者請求後遺障害等級認定の目的は、損害賠償に反映させることです。その効果はイニシアティブを取り戻すことになります。
どうすれば残存する症状が認定され反映させることができるか?等級認定の請求手続き・症状固定への対応のページも併せてご確認ください。
「これ良かれ」と判断された事が、最後になって「これ悪しかれ」では手遅れです。特に障害が残存されて生活や仕事に支障を来してしまった場合には、相手方自賠責保険への被害者請求により後遺障害等級認定を取得できる場合があります。
第三者としての専門家に相談してみることで、一人で抱える負担は軽減しその後の事態は大きく変わる場合があります。被害に遭われた方のご支援を致します。まずはメールにてご相談下さい。




