後遺障害等級認定の異議申立て

等級変更なし86.2%の現実

事前認定の結果に不満がある方が異議をとなえる事案が多いのが特徴です。

異議申立の結果統計は、平成16年度後遺障害専門部会の審査状況、審査件数5,284件、等級変更あり487件(9.2%)・等級変更なし(86.2%)・再調査230件(4.3%)になります。

等級変更ありの結果を導き出す為には、専門家の知恵が必要となる場合があります。立証すべき資料が揃っていなかった場合には当然に変更なしの結果になります。

任意保険会社による「事前認定」は、被害者の救済ではなく、損害賠償保険金額の値ぶみとして行われている場合が多くあります。それは「後遺症」に該当するか否かは、自賠責保険の限度額内で対応できる事案なのか任意保険会社が自ら損害賠償金を補てんするのかの分岐点になる場合が多いからです。

調査事務所での後遺障害認定は、提出された後遺障害診断書をもとにそれまでの治療警戒につき、診断書、診療情報明細書を取り揃え、場合によっては、患部のX線・CT・MRI検査の結果等の資料を取り寄せて判断することもありますが、通常は、診断書等の書類を中心に各調査事務所の顧問医の意見を参考にして後遺障害等級認定の担当者が決めています。


異議申立の手続き

非一括払い事案の被害者請求の場合には、自賠責保険会社に対し申立て書を提出する事になります。

一括払い事案の事前認定の場合には、被害者が任意保険会社に異議申立てを行い、任意保険会社が損保料率機構に対して事前認定に対する再認定の依頼をすることになりますが、被害者が異議申立ての理由等を記載して任意保険会社に再認定の申請を依頼しても、任意保険会社が必要ありと考えない場合には、その申請を行わないこともあり得ますので、被害者請求に切り替えて異議申立をするのが有効になります。

異議申立の準備

まず、自賠責保険会社あるいは損保料率機構調査事務所において、どのような理由で当該等級を認定してのか、または非該当と判断したのかを知る必要があります。

ご自分で等級認定の請求をされた方で、一部の書類に不備があった場合には、自賠責保険の障害等級認定は、書面審査でいわば事務的な対応をしていますので、後遺障害等級の判断理由の詳細については、「後遺障害等級認定票」・「後遺障害事案整理票」・「面接調査票」を請求する事ができます。

・診断書記載の後遺障害のうち、どれとどれを後遺障害と認めたのか 

・後遺障害と認めなかったものについては、他覚的裏付けがないからか、程度が軽微であるからか、事故との因果関係が認められないからか

・後遺障害と認めたものを労災報償障害認定基準必携記載の基準に当てはめると何級に相当するか

  

認定理由を検討し知り、もしくは推測したり検討することが必要になります。その上で認定理由の不合理な点につき具体的に反論することとなりますが、実務においては、新たな資料を添付しなければ認定の変更はされにくのが現状です。

異議申立時の新たな資料

等級認定を行う損保料率機構への異議申立は、反論すべき根拠を書面にして主張し、各審査会が書面により再審査する制度です。反論する為には新たな資料が必要になります。

  

・主治医の意見書、または中核病院で医療水準が高度と評価されている医療機関での専門医による新たな診断書

・前回未提出の各検査の結果、および新たに直近での再検査を受けて各種検査の結果

・事故の衝撃の程度・負傷の程度が疑われているいると推測される場合には、交通事故の刑事記録

・類似の判例、類似の症例の添付

当事者の意見陳述や立証は文書によることを原則としていますから、一般の民事調停とは違い、書面審査の手続きになります。自賠責保険の判断の基礎になった資料からどのような事実を指摘して認定の誤りを主張するのを立証できる新たな資料が必要になります。

異議申立の事案は、損保料率機構の審査会で再検討されます。後遺障害の事案については、後遺障害審査会が、事後子に残存した障害と事故との因果関係の有無や障害の存否・程度の評価を行います。医学等の自然科学知識が必要不可欠ですので、その分野の専門家委員を中心に構成されており、専門分野別の部会構成を取っています。(整形外科・脳神経外科・眼科・耳鼻咽頭科・外科・高次脳機能障害・非器質性精神障害・認定基準等)


異議申立て手続きのポイント

後遺障害の等級認定は要件事実で決まります。

要件とは備えるべき条件です。それを事実=医証として書面にして申立てを行えるか否かで決まります。

ではどんな資料で立証できるのか?は、相手方の任意保険会社より指示や助言があるはずもありませんし、医学の専門家である主治医に等級認定の為の検査や所見を依頼されてもトンチンカンな話になります。

時計の針を戻すことから始まります。

受傷時から現在に至るまでの経緯経過を確認して、非該当または想定していた等級より低かった理由を探します。現実にはこの段階で意義申立てをしても同じ結果になるケースもあり、その理由を説明させて頂くご相談になることもあります。

なぜに非該当なのかを説明できる事が、如何にすれば等級認定を取得できるかになります。

頸椎や腰部捻挫の傷病名の場合には、「神経学的な他覚的所見」が要件になります。

交通事故では、民事上の問題・医学上の問題・保険制度や保険会社との問題・ご自身の生活における支障の問題と、それぞれに分かりづらく、その場その場では解決策が見えずらい傾向にあります。ですから、それらを横断的な視点から確認し、助言や支援ができるか否かが行政書士の業務になります。

一歩を踏む出す事で問題が分かり、解決方法が見える事があります。まずはご相談下さい。きっとお役に立てるはずです。


ページトップへ

© COPYRIGHT 慈友行政書士事務所. All right researved.