後遺障害等級の認定基準について
後遺症と後遺障害とは異なるものです。自賠責保険における後遺障害等級の認定は、労災における後遺障害の規定(物差し)に当てはめをして、その結果得られた後遺障害の格付けに従って、障害の評価を行い、損害算定に反映させる事です。
「規定(物差し)」とは、労災補償を行う際に使用される行政通達である「障害認定基準」の内容に準じて後遺障害認定することを義務付けています。認定は損害保険料率算出機構が行っています。実務上は、障害認定基準に沿って行われています。
この基準で後遺障害と認定する前提条件を、「障害補償は、生涯による労働能力の喪失に対する損害てん補を目的とするものでる。したがって、負傷または疾病が治ったときに残存する、当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うものを障害補償の対象としているものである」としています。
非該当の理由
自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断します。後遺障害診断書を作成し提出後、等級認定がなされる場合は3〜4か月間後ですので、非該当の場合にはおよそ2か月以内で通知が来ます。、後遺障害等級認定票の別紙には、結論と理由が記載されています。
非該当の理由は、「他覚的に裏付ける医学的所見に乏しい」・「自覚症状を裏付ける客観的な所見に乏しい」・「将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難く」・「画像上は外傷性の異常所見は認めれれず」・「事故受傷との相当因果関係は認め難く」等が記載されています。
傷害認定基準の前提条件よりの非該当なのか、医学上の所見の有無により受傷より症状固定までの治療期間の立証方法の不備なのか、ご本人には分かりづらい物です。
加害者の不法行為によって受傷し、治療を継続してもなお残存する障害があり、症状固定と言われ、診断書を提出して、およそ2か月以内に届く「非該当」の結果は、ご本人にとっては事故に遭った時と同等に厳しい現実になります。
非該当の結論に至る調査内容は後遺障害事案整理票に記載されています。相手方任意保険会社は交付する義務がありますので、請求をして確認をして下さい。
治ったときに残存する、当該傷病と相当因果関係
要件事実としての等級認定要件事実とは、一定の法律要件を充足すれば、一定の法律効果が生じるということで、法律要件を充足する要件事実が認められれば、その法が規定する法律効果が発生するという法律用語です。簡単な言葉では備えるべき条件になります。
後遺障害等級認定の実務においては、事故の発生状況、急性期の症状所見、その後の症状経過をもって事故との相当因果関係が確認されます。初診時の所見は最も重要で、その評価の信頼度は自覚症状・他覚的所見及び補助診断検査所見の精度に依存します。後遺障害等級認定の基準(物差し)は、受傷時が一番重篤であることから始まります。
認定において備えるべき条件は基準に記載されています。
「他覚的に裏付ける医学的所見に乏しい」や「自覚症状を裏付ける客観的な所見に乏しい」は、き損状態であって、その存在が医学的に認められていない事になります。
「将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難く」は、負傷または疾病が治ったときに残存する、当該傷病と相当因果関係を有していない事になります。
医学的な証明方法が何であるかを被害者の方が知る由もありません。レントゲンを撮った後の診断で「器質的な異常はありません」と医師が判断した場合には、多くの方がそれ以上の画像診断を求めません。「治ったときに残存する当該傷病と相当因果関係」という言葉も、一般的には理解しづらい言葉です。
損害保険料率算出機構の後遺障害認定の実務は、因果関係かつ医学的に認めれらる事を重要視している様子です。医学的とは西洋医学であり、医師による治療や検査の結果が所見として認めれれます。むちうち症や腰痛などで整骨院や接骨院に通院しても医学的とは認められていません。
また、事故にて受傷後、継続的な治療が成されている事も要件で、受傷から1か月以上経過して起きた新たな症状や、治療期間内に1か月以上通院されていない場合などは、事故受傷との相当因果関係は認め難くと判断されます。
むちうち症や腰痛等の目に見えない症状の場合
等級認定の格付けは「局部に神経症状の残すもの」になります。後遺障害の事前認定の申請を行い、提出した書類が規定(物差し)に当てはめをして要件を満たしていない場合には、およそ1〜2か月以内に非該当の通知が届きます。格付けや評価に至る事案ではその結果がおよそ3〜4か月後になります。
非該当の理由には、「提出の画像上、本件事故による外傷性の異常所見は認められず、提出の後遺障害診断書上、自覚症状の永続性を説明し得る医学的所見にも乏しいことから、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難く、自賠責保険における後遺障害には該当しないもと判断します」と別紙に記載されて来ます。
目に見えにくい症状の場合の規定(物差し)を満たすためには、その後の格付けが「局部に神経症状の残すもの」になる事を理解したうえで、「残存する症状、特に自覚症状と検査所見との間の整合性の確認」が神経学的な検査とその所見により立証できることが、要件事実の様子です。
むちうち症の場合の神経学的検査は、頚部神経学的検査になります。この一つに握力があります。後遺障害診断書にも握力低下で何?と記載されていますが、性別や年齢、職業や利き腕によって個人差がありますので、規定(物差し)では参考値程度の評価になります。
検査は受傷状況や自覚症状によって様々ですが、頸椎圧迫テスト・上肢神経伸張テスト・徒手筋力(MMT)テスト・筋委縮検査・腱反射検査などがあります。何をどうすれば自覚症状と検査所見との間の整合性の確認ができるのかが、重要なポイントになります。
事前認定により「非該当」の結果を受けた方へ
86.2%が変更なしの厳しい結果ですが平成16年度後遺障害専門部会の審査状況は、審査件数5,284件、等級変更有り487件(9.2%)、等級変更なし4,554件(86.2%)、再審査230件(4.3%)でした。
統計はありませんが、お客様からのご相談から、事前認定の結果が非該当で、その後異議申立をなされて、かつ神経障害(頸椎捻挫や腰痛捻挫)の方の場合は厳しい結果になっています。
事前認定による結果の通知は、相手方任意保険会社より送られて来ます。その際に「別紙」や「」後遺障害事案整理票」も通知されないケースもあります。これでは的を得た立証ができるはずもありません。
この別紙と整理票には、重要なキーワードや事項が記載されています。単に非該当の結論だけではなく、その理由や調査のポイントや他覚的所見や検査項目の記載があります。これを基ににて、依頼者の方と検討して、新たな立証をすべく準備をして、段階を経て異議申立を行います。少しづつ時計を戻しながら踏み固めて行く作業が認定変更への繋がる道になります。むちうち症や腰痛等でお困りの方は「後遺障害障害14級」も参考にして下さい。
異議申立の時効
症状固定日が起算日です。自賠責保険の被害者請求に関しては、傷害、死亡の損害賠償請求権は、原則として事故時から2年、後遺症による損害賠償請求権は、症状固定時から2年で時効になります。2010年4月1日以降発生の事故について、自動車損害賠償保障法改正により保険金等の請求権の時効が2年から3年になりました。
自賠責保険の損害賠償請求権については、保険会社に対して「時効中断承認申請書 (用紙は保険会社にあります)」を提出して、承認して認してもらうことにより簡単に中断できます。
後遺症認定が必要な場合は、自賠責保険請求権が時効消滅する前に保険会社に損害賠償請求をすることが必要です。
被害者請求による手続きを承ります。
納得できずに諦める必要はありません。後遺障害認定の実務は、因果関係かつ医学的に認めれらる事を書面で立証する手続きです。ご自分の自覚症状をどの様な書面にするのか?他覚的な所見としてどんな検査が重要視されるのか?、医学的な検査や所見の重要度は何か?,これらが専門家の知識であり知恵になります。
・事前認定への異議申立手続きは「事前認定から異議申立て」にてご確認下さい。
・非該当からの異議申立は「非該当から異議申立」にてご確認下さい。
後遺障害等級認定の見込みを無料でご判断させて頂きます。
事前認定において非該当だったり、想定された等級より実際の評価が低く納得できない方は、自賠責への被害者請求において等級認定又は等級変更の可能性があります。
自賠責保険への被害者請求による異議申立により等級認定取得の為のご支援における費用は、業務受任時に事務手数料としての着手金が2〜5万円(事案による)、その後等級認定結果による結果報酬にて承っております。成功結果は等級認定が成されなかった場合及び等級変更が成されなかった場合には支払いは発生しません。しかし認定の見込み無い事案では無料相談の際に、「お役に立てません」とご返事をさせて頂き、お断りをさせて頂いておりますので、ご了承下さい。
第三者としての専門家に相談し依頼することで、その後の事態は大きく変わる見込みがあります。まずはメールにてご相談下さい。




