ADR(裁判外紛争処理機構)自賠責保険・共済紛争処理機構
(財)自賠責保険・共済紛争処理機構は、自賠責保険の支払に関して、被害者や自賠責保険の加入者と、自賠責保険会社との間に生じた紛争について、公正かつ適正・迅速に解決することにより被害者保護の充実を図る目的とする指定紛争処理機関で、平成14年の自賠法改正時に際して設立されました。
対象となる紛争
紛争処理の対象となる紛争は、1.被害者または加入者からの請求に対して、自賠責保険から支払い又は不払いの通知があった事案。2.任意の自動車保険について、自賠責保険の判断(事前認定)が提示されている事案です。
裁判や調停に係属中の事案や、支払限度額までの支払いがなされているため支払金額に影響のない事案などについては、紛争処理を行いません。
自賠責保険の支払いに関する紛争であれば、平成14年3月31日以前に発生した事故であっても対象となりますが、政府保障事業に関する紛争は対象になりません。
紛争処理申請者
申請を行える者は、交通事故の当事者またはその正当な代理人に限られています。
紛争処理の手続きは、原則として書面審査で行われますので、申請書及び添付書類によって紛争の実態、自賠責保険の判断と申請者の主張との食い違う点、申請者の主張の具立的な内容と根拠を説明しなければなりません。
重過失減額の場合では、具体的な事故態様の争いであれば申請者の主張する事故態様とその根拠たる資料を提出する必要があります。
過失の程度や評価の場合では、加害者と被害者の過失を基礎付けする具立的な事実関係を指摘し、それが裁判例等に照らしてどのように評価されるのか等の資料が必要になります。
後遺傷害の認定に関する事案についても同様です。自賠責保険の判断の基礎になった資料からどのような事実を指摘して認定の誤りを主張するのを立証できる資料が必要になります。
紛争処理委員会の手続き
個々の事案の紛争処理は、有無責事案および後遺障害案件とも、交通事故賠償の専門的知識を有する弁護士、医師、学識経験者が、国土交通大臣及び内閣総理大臣の認可を受けて就任している紛争委員が、3名以上で合議体を構成して、事案の性質に応じて行われます。
手続きは原則非公開で、当事者の意見陳述や立証は文書によることを原則としていますから、一般の民事調停とは違い、書面審査の手続きになります。
紛争処理の結果は、法的に紛争当事者の双方を拘束するものではありません。したがって、その結果に不満な当事者は、別途、裁判所で解決を求めることができます。ただし、紛争処理の結果の中で自賠責保険の保険金等の支払に関する部分は保険会社を拘束します。
立証資料や主張のポイント
紛争処理の資料は、1.保険会社が保険金乙の支払いに関する判断の根拠とした資料、2.申請者から当たらに提出された資料、3.自賠法23条の12に基づき、紛争処理機構は必要に応じて保険会社等から受けた文書もしくは口頭による説明、または提出を受けた文書、4.自賠法23条の20に基づき、紛争処理機構が国道交通大臣及び内閣総理大臣から提供を受けた情報により行われます。
申請者が主張を整理するにあったては、紛争処理機構の判断が自賠責保険の支払いに関するものに限定されることを意識する必要があります。
後遺傷害の認定に関する紛争処理は、自賠責保険におけるルールに従って判断されるのですから、申請者の主張する事実を立証できる資料が、傷害認定基準に照らしてどのように評価されるべきかを具立的に主張することが必要です。



